小説「凍える牙」
2022.04.21
作:乃南アサ
こちらも割と最近読んだ小説です。
この作品は直木賞も受賞しており、世間的な評価も高い作品となっております。
主人公は女性の刑事で、本来は機動警察のバイク部隊に所属しているのですが、ある殺人事件
が起こり、応援で捜査本部に配属され、そしてその捜査でコンビを組んだ古株の刑事との
確執等々が描かれているお話です。シリーズもので続編もあります。
殺人事件の捜査は捜査として、女性刑事の奮闘は奮闘として、二本立て的に話が進んで行きます。
だいたいのあらすじは、東京都内のとあるファミレスで、一人の男性がいきなり燃える、という殺人
事件から始まります。なかなかの猟奇的な描写です。また別の場所では、原因不明の遺体が見つかり、
一見何の繋がりもないような二つの事件なのですが・・・という内容です。
この小説はミステリーなのですが、変わった小説で、犯人も出てくるのですが、最終的に
「犯人?犯人といえば犯人か?」という内容となっています。あまり例を見ない内容です。
この作品はドラマ化や映画化されていないようですね。それはそうでしょう。
なんせねえ・・・それは言えない。言えやしないよ・・・
この作者の乃南アサさんは、科学や警察内部なとに至るまで、入念に取材というか、下調べをする方の
ようで、かなり細かな情報が書き込まれており、勉強にもなります。
本格的なサスペンス小説が好きな方にお勧めの作品です。
本屋さんでぜひどうぞ。
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