小説「鎖」
2022.04.22
作:乃南アサ
前回感想を書いた小説「凍える牙」の続編、女性刑事、音道貴子の活躍を描く物語です。
ある銀行に大金を下ろしにきた二人の男が登場するところから始まり、
そして都内のある場所で、占い師夫婦とその信者4人の惨殺死体が発見され、
その事件の捜査本部に、今回も音道貴子が駆り出される、という話です。
駆り出された捜査本部で今回コンビを組むのは、はっきり言ってダメ男。
そのダメ男のせいで、音道貴子は物語の半分を囚われの状態で過ごす、という内容となっています。
そしてその救助に捜査本部が一丸となって挑むのですが、そこに前回コンビを組んだ
古株の刑事が参戦し、前回は確執のあったこの古株の刑事が、なんと音道貴子を救出するために
奮闘する、という内容となっています。この古株の刑事が、前回は女だからって認めてなかったけど、
前回の活躍を見て、
「やるじゃねえか、ネエチャン」
的に認めていることから、今回はこの古株の刑事が音道貴子救出に奮闘するのです。
浪花節的な話なのです。
この小説は結構前に書かれており、当時銀行で問題になっていた、架空口座名義の話なんかも出てき
て、当時の社会情勢を垣間見ることができます。文庫本だと上下巻で結構長めです。
長い小説でも読むのが苦にならない、という方にぜひ。
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