映画「すべてが変わった日」
監督・脚本:トーマス・ベズーチャ 主演:ケビン・コスナー、ダイアン・レイン
英題「LET GO HIM」、直訳すると、彼を逃がしてあげた、と思われます。
彼とはこの映画では、孫のことだと思われます。つまり、
孫を助け出す、という映画です。
この映画のジャンルはスリラーです。狂気ですね。
大まかなあらすじは、「おじいちゃんとおばあちゃんが、孫を取り戻すために
奮闘する」というお話です。これだけだとほのぼの系の映画に思えますが、
そんなことはなく、繰り返しになりますが、この映画はスリラーです。
舞台は1960年代のアメリカ、モンタナ州。祖父母と息子、嫁、そして孫と、平和に暮らしていた
五人家族でしたが、ある日、息子が落馬事故で亡くなった時から、すべてが変わってしまいます。
嫁が再婚するのですが、その夫がいわゆるDV夫であり、祖父母が心配する中、ある日
ろくに挨拶も抜きに、その嫁とDV夫と孫が、DV夫の実家に帰ってしまいます。
孫が心配な祖父母が、孫と元嫁を探して旅に出た先で見たものとは、というお話です。
制作者たちが語るように、この映画はロードムービーのような要素もあり、
西部劇のような要素もあり、音楽もアコースティックギターを中心としたアメリカ西部風のものと
なっております。
主演のケビン・コスナーも語っていますが、
「この映画は飾り気がない」
そんな映画となっています。普通の祖父母が、ちょっとした事件に巻き込まれる、そこに共感がある、
と制作者たちは語っています。ハリウッド映画的な派手さは一切ないですね、確かに。
主演の二人が壮年ということもあり、全体的に落ち着いた雰囲気になっていますが、
そこはかとなく漂う狂気というか、悪意が、観る人をそわそわさせずにいられない作品となっておりま
す。
DV夫の母親役のレスリー・マンヴィルや、DV夫の叔父役のジェフリー・ドノヴァンの、そこはかとなく
漂う狂気っぷりも観ていて気持ちが悪いです。見事な演技です。
主演の二人の方の家族は、家族愛に満ちていますが、DV夫の家族は、暴力で支配されている、
そんな対比的な描かれ方もしていて、同じ家族でもえらい違いがあるなあ、と思わずにはいられませ
ん。そんな家族の形も、この映画のテーマの一つではないでしょうか。
ものすごい怖い映画はいやだけど、ちょっと怖い映画なら観たい、そんな方にお勧めの作品です。
ちなみに、原作小説があるとのことです。
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