映画「ブレット・トレイン」
配給:ソニー・ピクチャーズ 監督:デヴィッド・リーチ 脚本:ザック・オルケウィッツ
出演:ブラッド・ビッド、ジョーイ・キング、アーロン・テイラー=ジョンソン、真田広之、他
日本の小説家、伊坂幸太郎著作、「マリアビートル」という小説が原作となっている、ハリウッド映画
です。大変めずらしいですね。ちなみに私もこの小説は読んでいます。
半分くらいは原作通りですが、半分くらいはハリウッド的脚色がされています。
主人公のレディバグ、これは、小説の主人公のコードネーム、テントウムシの英名なのですが、そのま
ま英訳がされていますね。
ちなみに、レディバグは、マリア様の虫、という意味があるらしく、レディバグに指示を出すのが、
マリアという名前の女性である、というのは、伊坂幸太郎が用意した、一つの仕掛でしょう。で、小説
の題名が、マリアビートルです。(これには伏線はありません、悪しからず)。このことは、最近知り
ました。これも何かの運命でしょうか。
そう、この映画のテーマの一つは、「運命」です。この映画全編を通して、「運命」
というキーワードが出てきますので、お見逃しなく。
この映画は、アクション・コメディ・スリラー映画とされています。私は、これはファンタジーでも
あるのではないかと思います。映画「ブレードランナー」もそうですが、どうも海外の人からすると、
日本は雑多でネオンのチカチカしたイメージがあるらしく、この映画も全体的にネオン色となっていま
す。日本に対するリスペクトかオマージュか、はたまたイジリなのか、そんなものが随所にみられま
す。見ていて不愉快ということではないですけど。
東京から京都へ向けた新幹線車内に、殺し屋たちが乗り合わせ、駆け引きや戦闘を繰り広げる、
といった内容となっています。小説はもっと隠密的で静かですが、ここもハリウッド的演出がされてお
り、
「いや、そんなことあったら、新幹線止まるよ!」
という派手なことがあっても、新幹線は止まりません。皆さん、これはアクション・コメディ・ファン
タジーです。そう思ってみてください。
監督は元スタントマンという経歴を持つ、デヴィッド・リーチで、全体的にアクションが満載な作品
です。コメディ要素も取り入れられており、小気味好く物語は進んでいきます。軽快です。
そんななか、日本人俳優の真田広之が知的で重量感のある役を演じているのは、日本人としてうれしい
限りですね。
そうそう、伊坂幸太郎の小説がそうであるように、そのオマージュでしょうか、この映画も
いつくかの伏線があり、それらも楽しみの一つです。
自分は運が悪い、アクションが観たい、とにかくスッキリしたい、という人にお勧めの映画です。
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